Excel関数の分類:13つの機能別関数

EXCEL

はじめに

Excelの関数は機能別に13種類のカテゴリーに分類されています。各カテゴリーには多くの関数が含まれており、それらの一部について筆者が記事にまとめています。

以下のリストでは、各関数をクリックすると、本ブログ内の関連記事にジャンプしますので、参考にしていただければ幸いです。

Excel関数:13つの機能別関数で分類

  • [財務関数]
  • [日付と時刻関数]
  • [数学/三角関数]
  • [統計関数]
  • [検索/行列関数]
  • [データベース関数]
  • [文字列操作関数]
  • [論理関数]
  • [情報関数]
  • [エンジニアリング関数]
  • [キューブ関数]
  • [互換性関数]
  • [Web 関数]

Excelの「数式」タブ→「関数の挿入」→「関数の分類」で確認できます。

本ブログ内の関数

日付と時刻関数

EOMONTH 関数

指定した月数だけ前後の月末の日付を返します。

EOMONTH関数は、財務や会計分野で特に重宝される関数です。月末日を基準とした計算が簡単にできるため、月次レポートの作成や期間計算に適しています。例えば、3ヶ月後の月末日を求めたり、前月末の日付を取得したりする場合に使用します。

使用例:=EOMONTH(TODAY(),1) ※今月の翌月末日を返す

統計関数

COUNTIF 関数

指定した条件に一致するセルの個数をカウントします。

COUNTIF関数は、単一の条件に合致するセルの数を数える関数です。例えば、特定の商品の販売回数を知りたい場合や、特定の値以上のデータがいくつあるかを調べたい場合などに使用します。データの傾向を把握する際に役立ちます。

使用例:=COUNTIF(C1:C50,”>100″) ※100を超える値の個数をカウント

COUNTIFS 関数

複数の条件に一致するセルの個数をカウントします。

COUNTIFS関数は、複数の条件を同時に満たすデータの数を数えることができます。例えば、特定の部署の特定の年齢以上の従業員数を知りたい場合などに使用します。複雑な条件でのデータ分析に非常に有用です。

使用例:=COUNTIFS(A2:A100,”営業部”,B2:B100,”>30″) ※営業部かつ30歳超の従業員数をカウント

論理関数

IF 関数

値や数式が条件に合致するかどうかを判定します。

IF関数は条件分岐の基本となる関数です。特定の条件が真か偽かによって、異なる結果を返すことができます。例えば、点数によって合格か不合格かを判定するなど、様々な場面で活用できます。

使用例:=IF(D1>=60,”合格”,”不合格”)

IFS 関数 (2019)

1つ以上の条件が合致しているかどうかをチェックして、最初のTRUE条件を満たす値を返します。

IF関数を発展させたIFS関数は、複数の条件分岐を一度に行えます。従来はIF関数をネストして複雑な式になっていたものが、IFS関数を使うことでシンプルに書けるようになりました。

使用例:=IFS(E1>=90,”A”,E1>=80,”B”,E1>=70,”C”,TRUE,”D”)

SWITCH 関数 (2016)

リストの値に基づいて式を評価し、最初に合致する結果を返します。 どれにも一致しない場合は、任意指定のデフォルト値が返されます。

SWITCH関数は、特定の値に応じて異なる結果を返す関数です。例えば、部署コードから部署名を取得するような場合です。IF関数の連続使用よりも直感的に書けるのが特徴です。

使用例:=SWITCH(F1,1,”営業部”,2,”経理部”,3,”人事部”,”その他”)

数学/三角関数

SUBTOTAL 関数

データリストの集計情報を返します。

SUBTOTAL関数は、フィルターをかけた状態でも正確な集計ができる優れものです。合計や平均、データの個数など、様々な集計方法を1つの関数で行えるため、複数の視点で分析ができるようになります。

使用例:=SUBTOTAL(9,K1:K200) ※9は合計を表す引数

統計関数

MAX 関数

データリストの中で最大の数値を返します。

データ分析において、最大値を求めることは頻繁にあります。MAX関数を使えば、指定した範囲内の最大値を簡単に見つけることができます。例えば、売上データの中から最高額を求めたり、テストの最高点を算出したりする場合です。

使用例:=MAX(G5:G150)

MIN 関数

データリストの中で最小の数値を返します。

MAX関数と対をなすのがMIN関数です。指定されたエリアの最小値を求めることができます。在庫管理や成績管理など、最小値を知る必要がある場面です。

使用例:=MIN(F10:L20)

文字列操作関数

ASC 関数

全角の英数字やカタカナを半角の文字に変換します。

データの統一性を確保する目的で、全角文字を半角に変換したいことがあります。ASC関数を使えば、全角の英数字や記号を半角に変換できます。データ整理の際に役立ちます。

使用例:=ASC(Q1)

JIS 関数

文文字列中の半角文字を全角文字に変えます。

ASC関数と逆の働きをするのがJIS関数です。半角の英数字や記号を全角に変換します。見た目の統一や、特定のシステムに合わせてデータを調整する際に使用できます。

使用例:=JIS(Z1)

まとめ

これからもExcel初心者でも比較的扱いやすく、かつ業務で頻繁に使用されるものを紹介する予定です。一つずつこれらの関数をマスターすることで、データ分析や資料作成の効率が格段に上がるでしょう。

ただし、関数の使用にあたっては、適切なデータ型の使用や、エラーへの対処など、注意すべき点もあります。

Excelの関数は奥が深く、学べば学ぶほど新しい可能性が広がります。この記事で紹介した関数を足がかりに、さらに多くの関数を学び、業務効率の向上につなげていただければ幸いです。